「1on1で部下が話してくれない」原因は?沈黙する3つの心理と、明日から使える対話技術【後編】

「1on1で部下と何を話せばいいのかわからない」
「沈黙が続くと、つい自分から喋って時間を埋めてしまう」
こうした管理職の悩みは、1on1を導入している多くの現場で共通して聞かれるものです。
前編記事では、部下が沈黙してしまう「3つの心理的背景」について解説しました。部下が口を閉ざすのは話題がないからではなく、過去の否定的な経験からくる“学習性無力感”や、評価を気にする心理的リスク、そして上司と部下の間で1on1の目的がズレていることが根本的な原因です。
また、組織の成果を最大化させるためには、“結果の質(数値成果)”を問い詰めるのではなく、まず対話を通じて“関係の質”を高めることが最短ルートであるという“成功の循環モデル”についても触れました。
後編では、これらのマインドセットを踏まえた上で、明日から現場で実践できる具体的な対話の技術、質問例を紹介します。
沈黙を「思考の時間」に変える、対話の技術
マインドセットを変えたら、次は具体的なスキルです。特に管理職が陥りやすい「沈黙恐怖症」を克服し、部下の思考を深める技術を紹介します。
沈黙は「思考中」のサイン。待つ勇気を持つ
質問をした後、部下が黙り込むと、焦って言葉を継ぎ足していませんか?
実は、この「上司が我慢できずに口を開く」行動は、部下の思考を停止させています。
教育学の研究(Wait Time)によると、質問後の沈黙を3〜5秒以上待つことで、回答の質や量が飛躍的に向上することが分かっています。
沈黙している間、部下の脳内では情報の検索や整理が行われています。 沈黙を“気まずい時間”ではなく、“部下が深く考えているゴールデンタイム”と捉えてください。
尋問になっていない?「Why」を「What」に変える
部下の本音を引き出すには、質問の言葉選びも重要です。特に注意したいのが「Why(なぜ)」の使い方です。

「Why」は原因究明には役立ちますが、1on1の場では、人格への攻撃や詰問と受け取られやすく、心理的安全性を損なうリスクがあります。一方、「What」は事象そのものに焦点を当てるため、部下は感情的にならず、客観的に状況を話しやすくなります。
明日から使える。“対話の質”を高める質問例
最後に、イノヴィスタの「1on1スキル習得講座」でも推奨されている、関係の質を高め、部下の思考を深めるための具体的な質問を紹介します。
場を温め、関係の質を高めるチェックイン
1on1の冒頭で、お互いの状態を共有し、話しやすい空気を作るための質問です。いきなり業務の話に入るのではなく、右脳的な対話モードに切り替える効果があります。

視点を広げて本質に迫る、抽象と具体の問い
部下が目の前の業務に追われて視野が狭くなっている時、思考の枠を広げたり、逆に行動を明確にするための質問です。

ギャップを埋め、次の行動へつなげる問い
理想の状態と現在の状態のギャップを認識し、それを埋めるためのリソースを探す質問です。

まとめ:まずは「関係の質」から始めよう
1on1の主役は部下です。上司の役割は、答えを教えることではなく、問いかけを通じて部下の内側にある答えを引き出す伴走者であることです。
- 「関係の質」から入る
- 沈黙を「7秒」待つ
- 「なぜ」と責めず、「何が」と未来志向で問う
この3点を意識するだけで、1on1の質は劇的に変わります。
あなたが「信じて待つ」姿勢を見せれば、部下は必ず自ら歩き始めます。
組織全体でこの「対話の文化」を根付かせたいとお考えなら、ぜひイノヴィスタの1on1トレーニングをご活用ください。対話が変われば、チームの未来は必ず変わります。
イノヴィスタの「1on1スキル習得講座」
イノヴィスタでは、「1on1の質を上げたい」「実践力を身につけたい」とお考えの方向けに、実践型の1on1スキル習得講座を開催しています。ワークショップ形式で、1on1の基本から実践的なスキルまでを網羅的に学び、現場ですぐに使えるスキルを習得できます。
学べるスキル例
・1on1の定義、概要
・信頼関係構築の方法
・質問技法
・傾聴スキル
・上司としての在り方など
受講者からは「1on1の対話の質が変わった」「部下の表情が変わった」「自分のマネジメントに自信が持てた」といった声が多数届いています。1on1の効果を最大化したい方、人材育成に課題を感じている方は、ぜひ受講をご検討ください。