1on1には“成功する進め方”がある。30分で効果が出る6ステップ

2025.04.05
1on1には“成功する進め方”がある。30分で効果が出る6ステップ

「1on1を導入したが、効果が出ない」 「毎回何を話せばよいかわからない…」
部下との1on1をしていて、このように感じる方もいらっしゃると思います。

1on1は、単なる雑談や業務報告の場ではなく、部下の成長を支援するための時間です。 正しい進め方を実践することで、部下の成長を加速させ、チームの成果向上につながります。

本記事では、1on1成功のポイントと、具体的な進め方を6つのステップで解説します。

 1on1を成功させるポイント

1on1は「部下の時間」

上司が聞き役に徹することで、部下が安心して本音を話せる環境を作ることができます。

「考えさせる質問」をする

正解を教えるのではなく、問いかけを通じて部下自身に考えさせることで、主体性が育まれます。

「目的のある対話」をする

成長やキャリア、価値観について対話することで、部下自身に気づきが生まれ、行動が変化します。

アクションプランを明確にする

話した内容をそのままにせず、次回の1on1に繋げるためにも、部下自身が具体的な行動を決めることが大切です。小さな一歩でも「行動に落とし込む」ことで、成長のサイクルが生まれます。

継続的に実施する

定期的な実施を通じて信頼関係が深まり、対話の質も高まります。

1on1の導入には「オリエンテーション」が必須

1on1を効果的に機能させるには、実施前にオリエンテーションを行うことが大切です。

1on1がうまくいかない場合、目的が曖昧、評価面談と混同している、一方的に話されるだけで対話になっていないことなどが課題であるケースが多く見られます。その結果、1on1にネガティブな印象を持つ部下も現れ、積極的に話すことを避けるようになってしまいます。

こうしたすれ違いを防ぐためにも、オリエンテーションで「1on1は成長を支援する時間である」「上司は指導役ではなく伴走者である」など、定義をしっかり伝えることが不可欠です。実施頻度や進め方について事前に認識を合わせ、同じ方向を向いて1on1に臨みましょう。

オリエンテーションで伝えるべきこと

  • 1on1は「成長のための時間」であり、評価の場ではないこと
  • 上司は「指導」ではなく「伴走者」としてサポートすること
  • 1on1の頻度や進め方について、部下と合意を取ること
  • 部下自身が「話したいテーマ」を持ち寄ることが大切

実践例:「こんなオリエンテーション資料を作成しました!」

ある受講者の方から、「チーム向けにオリエンテーション資料を作成し、事前に共有したことで1on1がスムーズに進むようになりました」と報告をいただきました。

資料を共有しますので、ぜひ参考にしてください。

30分で効果が出る、1on1の6ステップ

1on1は、以下の6つのステップで進めると効果的です。

  1. 感謝・承認を伝える
    2. テーマを設定する
    3. ゴールを設定する
    4. ありたい姿と現状を聴く
    5. ギャップを埋めるための選択肢を考える
    6. 行動を決定する

この6つのステップを実践することで、単なる会話ではなく、成長を促す1on1にできます。

STEP 1:感謝・承認を伝える(関係構築)

1on1の最初は、必ずポジティブな雰囲気でスタートすることが大切です。ここで「ありがとう」「助かったよ」といった感謝や承認の言葉を伝えることで、安心して本音を話す土台が作られます。

  • 「いつも迅速に対応してくれてありがとう」
  • 「先日のプレゼン、とても分かりやすかったね」

STEP 2:テーマを設定する(話す内容を明確に)

部下が「何を話したいか」「どんな課題を解決したいか」を明確にします。テーマが決まっていないと、話があちこちに散らばり、深い対話になりません。目的を持った対話を行うためにも、最初にテーマを設定することが大切です。

テーマ例

  • 業務の進め方: 仕事の効率を上げる方法を考えたい
  • キャリア・成長: 将来のキャリアについて話したい
  • 人間関係: チーム内の関係性を良くしたい
  • ストレス管理: 仕事のプレッシャーをどう克服するか考えたい

STEP 3:ゴールを設定する(1on1の目的を明確に)

ゴールを設定することで、1on1の終わりにどうなっていたいかが明確になります。これにより、対話の方向性が定まり、部下も「この時間をどう活かすか」を自分ごととして考えやすくなります。

質問例

  • 「今日の1on1で、30分後にどんな状態になっていたいですか?」
  • 「〇〇の課題に対する解決策のヒントを見つけたい」

STEP 4:「ありたい姿」と「現状」を聴く(ギャップを把握)

理想と現状のギャップが明らかになることで、部下は自身の状況を客観的に捉え、次のステップへの意欲が高まります。

質問例

  • 「理想の状態はどんなイメージ?」
  • 「現状の課題はどこにある?」

STEP 5:ギャップを埋めるための選択肢を考える

上司が答えを出すのではなく質問・傾聴に徹して、部下から答えを引き出すことで、自ら考え、行動する力が養われます。

質問例

  • 「理想に近づくために、どんな方法が考えられる?」
  • 「過去にうまくいった経験を活かせる方法は?」

STEP 6:行動を決定する(次のアクションを明確に)

1on1の締めくくりには、具体的な行動を部下自身が設定します。小さな一歩でも「自分で決めたこと」を実行することで、成功体験が積み重なり、継続的な成長につながります。

質問例

  • 「何から始める?」
  • 「何をやったら解決しそう?」

まとめ

1on1は、単なる面談や雑談ではなく、部下の成長を支援し、信頼関係を築くための大切な対話の場です。「どうやるか」「なぜやるか」が成果を大きく左右します。

オリエンテーションから始まり、対話の質を高める進め方を実践し、継続的な取り組みと振り返りを通じて初めて、1on1の効果が発揮されます。

本記事で紹介した6つのステップを意識するだけでも、対話の質は大きく変わります。ご自身の1on1を振り返り、改善点があれば、今回紹介したステップをもとに進め方を見直してみましょう。

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