若者から学ぶ「リバースメンター」とは。Z特区2 参加レポート
株式会社イノヴィスタ・代表の岩﨑です。
先日、株式会社GO様(代表取締役 三浦 崇宏様)主催のトークイベント『リバースメンターカンファレンス・Z特区2』に参加してきました。
リバースメンターとは、簡単に言うと「若者から学ぶこと」。 年齢や経験の若い社員が年上の社員や管理職に対して、指導や助言を行う仕組みや関係性を指します。
通常のメンター制度では、経験豊富なベテランが若手社員をサポートしますが、リバースメンターではその逆が行われます。
そして『Z特区』とは、時代の先端を生きるZ世代から大人が学ぶ、リバースメンター・カンファレンスです。令和の主役であるZ世代の中でも、第一線で活躍している起業家や有識者の方々が、経営者やマーケティング責任者などがセッションを行いました。
いま、リバースメンターが注目される理由
リバースメンターが注目されている背景には、以下のような現代社会の変化や経営課題が深く関係しています。特に中小企業にとって、限られたリソースを最大限に活用し、組織の柔軟性と革新性を高める戦略的な人材活用手法として注目されています。
1.デジタル技術の急速な進歩
・テクノロジーの進化のスピードが加速度的に早くなっている
・デジタルネイティブ世代(Z世代)の技術適応力が非常に高い
・経験豊富なベテラン層が最新のデジタルスキルに追いつくことが困難になっている
2.世代間ギャップが起きている
・働き方や価値観において、世代間ギャップが起きている
・コミュニケーションスタイルの変化
・若手社員の独自の視点や発想を組織が活用できていない
3.イノベーション創出の必要性
・既存の組織構造や意思決定プロセスの限界
・新しい視点や柔軟な発想が求められている
・競争力維持のための組織変革の要請
4.人材育成と組織活性化
・若手社員のモチベーション向上
・経営層の視野拡大
・双方向の学習機会の創出
5.社会環境の変化
・グローバル化
・テクノロジーの民主化
・情報流通の加速
リバースメンター 導入の目的
リバースメンター制度は、以下の理由で導入する企業が増えているようです。
1.デジタルスキルの向上
若手社員が持つ最新のデジタルツールやトレンドに関する知識を共有し、上司や経営層がこれを学ぶことで、組織全体のデジタル化を促進します。
2.新しい視点の提供
若手社員の視点や価値観を理解することで、上司や経営層が時代に合った意思決定を行えるようになります。
3.相互理解と組織の文化醸成
世代間ギャップを埋め、組織内のコミュニケーションを改善し、相互理解を深めます。
4.若手社員の成長機会
若手社員がリーダーシップを発揮し、自己成長につなげる場としても機能します。
このように、リバースメンターは単なる世代間学習を超えて、組織変革のツールとして戦略的に位置づけられています。
リバースメンターを成功させるポイント
リバースメンター制度を成功させるには以下の点に注意が必要です。
1.目的の明確化
何を学びたいのか、どのような成果を期待するのかを明確にします。
2.信頼関係の構築
年齢や役職の違いにとらわれず、オープンなコミュニケーションを促進します。
3.支援とフォロー
リバースメンターが負担を感じすぎないよう、必要に応じてサポートやトレーニングを提供します。
4.制度化
プログラムとして制度化し、組織的に取り組むことで継続的な効果を得ます。
多くの企業がリバースメンター制度を導入し、特にデジタル化やジェンダーダイバーシティの推進に活用しています。例えば、大手企業では若手社員がSNSやデジタルマーケティングについて経営層に指導することで、意思決定や戦略に変化をもたらした事例があります。
リバースメンターは、従来の組織を革新し、柔軟で学び続ける文化を育む上で重要な役割を果たすでしょう。
『Z特区2』での学び
さて、「Z特区2』に戻し、そこでどのような学びがあったのかを話したいと思います。
今回の『Z特区2』でキーワードだと感じたのが「分断された社会」です。多くの登壇者がそのキーワードを使っていました。コロナ以降、価値観の合う人との繋がりが多くなる一方、価値観の合わない人との繋がりが減っていると感じているようです。
分断された社会の中で、自分の感性を信じて力強く生きている、既存の枠にとらわれずに尖らせている若者がイキイキ経営をしている姿がとても印象的でした。
分断からどのように繋げていくか?という議論もありました。その中で「祭」というキーワードも出ていましたが、今後「繋がり」への動きも出てくるのだろうと感じました。エンタメ、社会課題、伝統文化、AI、クリエイティブなど様々な領域でのセッションで、楽しみながら学びを深められたと思います。
分断からつながりへ、今後の展開が益々楽しみです!