
本音の対話が会社を変える|社員第一の社長・川又俊二【想いに火を灯す社長インタビュー】
「想いに火を灯す社長インタビュー」は、社員や地域を大切にしながら、自らの信念で組織を導く経営者たちに迫る連載企画です。
本シリーズでは、「信頼できる経営者のもとで働きたい」「人を大切にする職場で力を発揮したい」と考える20〜40代の転職希望者に向けて、リーダーたちの想いや実践をお届けします。
今回ご紹介するのは、社員との本音の対話で会社を変えてきた、株式会社メタルワーカー・エスイーエーの代表取締役・川又俊二さんのストーリーです。
株式会社メタルワーカー・エスイーエー
代表取締役 川又 俊二氏
花火大会の会長も務め、何千人の前で語る経験を持ちながら、「社員にこそ本音を届けたい」と語る、株式会社メタルワーカー・エスイーエーの川又俊二社長。
その言葉通り、社内決起会では経営者30名を招いた場にも関わらず、社員に向けて真っすぐなメッセージを届け、感極まり涙を流したという。
“泣くほどの熱さ”とは何か。それは“人を喜ばせたい”という一貫した想いだ。
「お客さんも、社員も、奥さんも、みんなに笑顔で帰ってもらいたい。 それがすべての基準なんです」
会社の掛け軸「笑顔」には、そんな信念が込められている。
川又社長は若干18歳の頃に、自らの指針書を作成。
そこには40歳までの目標が明文化されていたという。
「書いておけば基準になる。社員と同じ景色を見たいなら、わかりやすく言葉にすることが大事」
理念を“発信し、見える化する”ことは、単なる自己満足ではなく、組織の共通言語となる。
「直面するのが怖かった」と振り返る川又社長。信じていた社員に裏切られたことで、初めて“辞めてくれ”と告げた。
そこから会社の雰囲気は一変したという。
「真正面からぶつかるって、実は怖くない。素直に伝えたら、社員も素直に応えてくれる」
この経験から、“直面する勇気”が本物のリーダーシップであると確信した。
現在は、「ナチュラルでいること」を何よりも大切にしている。
「ナチュラルでいれば、感情の浮き沈みもなくなるし、冷静に相手と向き合えるようになる」
そのために、自分を知ること、自分と向き合うことを徹底してきた。
今では、社員一人ひとりと1日1回会話するという“凡事徹底”が、組織全体の温度感を高めている。
とりわけ印象深いのは、元お客様だった社員・菊池さんとのエピソード。
給与の話、親との対立、本音の対話。
最終的には「一緒に働けて楽しい」という社長の本音に、二人で涙を流したという。
この物語には、「人は人でしか磨かれない」という信念が詰まっている。
リーダー像について尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「田舎の小中学校にいる“身近なヒーロー”。そんな兄ちゃんみたいな存在でいたい」
背中で語り、でも近くにいて、優しく一緒に歩いてくれるような存在。
それが、川又社長の理想のリーダー像だ。
「地域貢献の前に、まずは自分たちの会社を良くする。社員が“ここで働けて良かった”と思える会社をつくる。」
タイとの取引を通じて日本の弱さを痛感した川又社長。
だからこそ、自社の仕事を“楽しいと思える場”にすることが、日本を変える第一歩になると信じている。
10年後の夢を尋ねると、笑顔で語られたのは3つのユニークな目標だった。
夢を笑う人もいるかもしれない。だが川又社長は、こう続ける。
「そんな馬鹿なことを本気で考えられる仲間が、100人いれば地域は変わる」
「会社に対して諦めず、素直な気持ちを忘れず、自分の人生に誇りを持ってほしい。
うちの会社に来たら、前向きになれる。そんな会社であり続けたい」
社員の人生と真剣に向き合う川又社長。
そのまなざしには、“人への愛”と“直面する覚悟”、そして“ナチュラルに生きる強さ”がにじんでいた。
株式会社メタルワーカー・エスイーエー
本社 〒321-0972 栃木県宇都宮市下川俣町79-1
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